12月4日から7日まで中華商標協会と南昌市人民政府が共同主催する第12回中国国際商標ブランド祭(以下、商標ブランド祭という)が江西省南昌市で盛大に開催されました。
今回の商標ブランド祭は「商標の経緯を縦覧し、ブランドの未来を共に筑く」をテーマとして、中国商標年次総会、中華ブランド商標博覧会及び一連のテーマイベントから構成されてたものです。
2020中国商標年会において、品源が代理した『中匡石油「宝石花」商標無効審判行政訴訟事例』が「2019-2020年度優秀商標代理事例」を受賞しました。
2017年の「懂明珠案」、2018年の「周虎臣案」、2019年の「AZTECHAZTECHMOUNTAINASPEN」商標異議案に続き、品源は再びこの栄誉を手にすることができました。
今回の受賞は、品源の専門能力やサービス品質が選考委員会や業界の中で認められたからこそのものです。
「信頼は責任を意味する」、品源は2004年の創立以来、常に専門能力の向上を重視し、クライアントに卓越した良質なサービスを提供しています。品源の努力がクライアントや業界関係者からも認められ、十数年来、品源は「AAAA級専利代理機構」、「年度専利代理機構十強」、「中国専利代理十強」など様々な栄誉称号を獲得してきました。
これからも、品源は更に力を入れて、知財強国の建設に貢献します。
受賞事例紹介
中匡石油「宝石花」商標無効審判行政訴訟事例
一、基本情報
(1)基本的な事実
「宝石花」図形は、中国石油天然気集団有限公司(以下、「中石油公司」という)の「車両ガソリンスタンド」などにおけるサービスで有名な商標として、非常に高い知名度を持っています。中匡石油集団(福建)有限公司(以下、中匡石油という)は、ブランドと誤認させるため、「中国石油」と一文字しか違わない「中匡石油」を企業名として出願しました。また、中国石油の“”を模倣し、商標“”,を出願し、実際の使用では、上黄下紅の配色、すなわち、“”。という模倣をすることが可能です。中国石油はこれに対して、無効審判の審決を請求し、国家知識産権局は商標の近似を理由に係争商標の無効審決を下しました。中匡石油は、国家知識産権局の裁定に従わずこの裁定を撤回するよう北京知識産権法院に提訴し、中国石油は第三者として訴訟に参加しました。裁判所は、係争商標と引用商標の図形部分が構成要素、構図スタイル及び全体的な視覚効果において類似性が高く、標識における類似を構成しているとみなしました。係争商標の登録は改正前商標法第28条の「同一又は類似のサービスに使用される類似商標」を構成しており、中匡石油の訴訟を却下しました。
(二)争議の焦点
争議の焦点は、係争商標第11755200号“”与第4360583号引证商标一“”と、商標第4360583号“”、第942664号引用商標2「」とが類似標識を構成しているか否か、係争商標と引用商標1、2は、同一または類似商品に使用される近似商標を構成しているか否かです。
(三)審判結果
係争商標は、内部から左下と右下に線が入っている、十等分の上黄下紅の宝石花の図形で、引用商標1は、左下から右下にかけて広がる7本の線が入っていて、十等分の上黄下紅の宝石花の図形及び漢字「中国石油」から構成されています。引用商標2は左下から右下にかけて7本の線が入り十等分の上黄下紅の宝石花の図形です。引用商標1、2は先行登録です。係争商標と引用商標1の図形部分、引用商標2は、構成要素、構図スタイル及び全体の外観視覚効果において高度に近似し、標識上の近似を構成しています。係争商標は使用と普及によって、商品の出所を識別できる程度に知名度を有し、提供された証拠は、市場において係争商標と各引用商標が区別できることを立証するには不十分であると原告は主張しました。したがって、裁判所は、係争商標と引用商標1、2は改正前商標法第28条の「同一または類似のサービスに使用される類似商標」に該当するとし、無効宣告しなければならないと認定しました。
二、事件の評価
「莆田系」商標の登録と使用は有名企業にとっては防ぎようがなく、違法者たちは、様々な近似出願で突出して使用したり、出願を分割して組み合わせて使用したりするなどの手段で商標登録を獲得し、実際の使用において、有名商標に積極的に近づき、有名企業のブランドの評判を侵害するだけでなく、消費者の合法的権益が損なわれます。これは各企業に自社のブランド建設とブランド管理を重視することを要求し、根底から近似商標に打撃を与えるだけでなく、各近似商標に対して積極的に異議を提起し無効などの手続きを行い、実際の使用における他人の模倣行為にも注目し、工商クレーム、商標権侵害などを通じて商標権を守らなければなりません。現在、商標出願が厳格に規範化され、悪意ある登録が取り締まりを受ける大きな環境の中で、他人の悪意ある出願や模倣・使用の行為は徐々に粛清されつつあります。企業はより誠実に経営し、権利を積極的に擁護し、自らのブランド価値を蓄積し、良い循環を形成し、消費者に優れた商品とサービスを提供しなければなりません。
三、弁護士のコメント
商標の近似を判断する基準は「混同の可能性」であり、混同の可能性の判断には、商標標識の近似度、使用商品またはサービスとの関連性、商標の顕著性と知名度、出願人の主観的悪意などを参考にすることができます。本件では、商標と引用商標の標識自体が近似しており、裁判長の自由意思決定を強化するため、本案代理人は、商標の認知度についての証拠、中匡石油の悪意性についての証拠、例えばその出願企業名が「福建省申国石油有限公司」であり、第三者が先に登録した「中国石油、昆侖好客、中石油、 | ”などの有名な商標を模倣し、 | ”などの商標を登録しているという大量の証拠を提出しました。さらに重要なのは、本件について代理人が調査した結果によれば、原告は係争商標を実際に使用する過程で、Baidu TiebaやSOHUなどのメディア報道によって明らかになったように、客観的に関連公衆の混同を引き起こしていたことが証明されました。最終的に、裁判所は第三者が提出した証拠を採信し、論争商標が商標法第28条の規定を構成すると認定し、無効を宣言しました。